「このミステリーがすごい」で大賞を受賞した新川帆立さん。
2回目の挑戦で大賞を受賞されたのもすごいのですが、もっとすごいのは新川さんの経歴なんです。
その経歴をまとめてみました。
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新川帆立の経歴がスゴすぎる!
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小説家になるまでの経歴のまとめ
- 16歳 小説家を目指す
- 18歳 東京大学法学部に合格
- 24歳 司法試験に合格
- 25歳 プロ雀士の資格を取得
- 29歳 小説家デビュー
小説家を目指したのがすべての始まりだったのですが、何故か、弁護士とプロ雀士の資格を間に挟むという独特の経歴の持ち主。
遠回りのようで、必要不可欠な経歴なのでしょうか。
いかにして新川帆立さんが作り上げられたのか、経歴の詳細を見ていきましょう。
プロ雀士を生むきっかけとなった高校時代
中学時代まで宮崎県で過ごした新川帆立さん。
都会に憧れ続け、お父様の公洋(きみひろ)さんが、茨城県に単身赴任したことで、茨城県で偏差値が高い、茨城県立土浦第一高等学校に入学されました。
この高校時代は、囲碁部に所属して、全国高校囲碁選手権大会にも出場されたそうです。
出典元:U-29 全国囲碁大会出場時。右手前の赤い腕時計の方が新川さん
また、『全国物理コンテスト 物理チャレンジ』の予選に参加したり、勉強以外の事をいろいろ楽しんでいたようです。
この高校時代、囲碁部に入りながら、囲碁部の友達から麻雀を教わったことがきっかけで、麻雀の面白さ、そして囲碁より麻雀に向いている!と気づいてしまったそうです。
そのおかげで(?)麻雀にハマった新川さん、大学時代は雀荘で麻雀三昧。
女の子が麻雀をやっていること自体、珍しかったのか、男性の方から舐められたり、失礼な態度を取られ、イラッとしたことも多かったそうです。
麻雀に対する本気度を示すために、司法試験が終わってから、麻雀のプロ資格を取ったのだからスゴイひとです。
オマケにもっとスゴイことは、プロテストは首席だったそうです!
新川さん、プロ雀士になりましたが、プロとして活動をすることにこだわりはなく、趣味としてやっていることの一つの到達点というスタンス、というところがまた、かっこいい!
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東京大学に入り、弁護士となる
茨城県立土浦第一高等学校を卒業後、目指した大学は東京大学!
始めは東京大学の医学部を目指して勉強をされていたようですが、前期試験で不合格に。
その後の後期試験で、医学部以外の学部なら進学できることになり、法学部に行って弁護士になろうと思ったようです。
そもそも、小説家になりたい、と思ったのは、高校1年生の時。
「高校生になったから、文学作品も読もう」と思い、読んだ作品の一つが夏目漱石の『吾輩は猫である』
この『吾輩は猫である』に感銘を受けたことが、小説かを目指すきっかけになったようです。
小説家を目指しているのに、何故、医学部や法学部を目指していたのか、ちょっと不思議です。
その理由は、しっかりあるんですね。
文才があると言われたこともなかったし、出版不況と聞いていたし、自分にとって作家を目指すのは茨の道とわかっていたんです。
かつ、人が夢を諦める一番の理由は経済的な事情だと思うので、まずは経済的な基盤を作ろうと考えました。
国家資格のある専門職につけば生活に困ることはないだろうと。
そう思って、入れる大学ではないですが、そこは新川さんの頭の良さなんですね。
東京大学の法学部に入ったものの、大学1~2年生の頃は、麻雀に明け暮れて、真剣に勉強はしていなかったようです。
本格的に司法試験に向けて勉強をし始めたのが、大学院に入ってから。大学院卒業の年に司法試験に合格をされました。
そこから司法修習が始まり、その期間はプロ雀士としても活躍していたようです。
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弁護士資格保有でプロ雀士!
小説家を目指す気持ちがありながら、司法修習を終えた後、大手の弁護士事務所に就職をされます。
その弁護士事務所では、企業間の金融取引を担当されていました。
しかし、弁護士の仕事はハードワーク。おまけに、クライアントに依頼されて何かをすることが、正確に合っていないことに気づいてしまったそうです。
サポート業務より、ゼロから何かを作ったり、考えたりする方が好きな新川さんにとって、弁護士の仕事はストレスが溜まっていってしまい、体調を崩すほどになったようです。
当然、小説を書く暇もなく、その後、企業所属の弁護士として働くために転職をされました。
転職をきっかけに、小説の書き方をしっかり学ぼうと勉強を始めていきます。
そこで入ったところが、山村正夫記念小説講座(通称・山村教室)で、そこにはかつて、新川さんが尊敬する作家の宮部みゆきさんも在籍されていたところだそうです。
山村教室では、自分が書いた作品の講評をしてもらえたり、他の方の講評も聴けたことが、とても勉強になっていたようです。
また、山村教室で出会った先輩方との交流もできたことは、小説家を目指す新川さんにとっては、とても宝物になったのではないでしょうか。
その先輩作家の方達と撮った記念撮影がこの写真です。
上段左から、坂井希久子さん、千葉ともこさん、新川帆立さん、
下段左から、成田名瑠子さん、西尾潤さん、美輪和音さん
転職をしたことで、時間が取れるようになり、昼間は会社、夜は執筆の生活が始待ったとのこと。
そして、2回目の挑戦で、今回の『このミステリーがすごい』の大賞を射止めることができたのがスゴイです。
もちろん大賞を取るために、過去の講評から傾向と対策も分析し、自分の作品に取り入れていったそうです。
- 強いキャラを立てること
- 派手にすること
- 魅力的な謎をいくつか入れること
- 新しい設定とか新しい素材を何かしら入れること
- 物語の根底に現代的なテーマを入れること
この分析力は、麻雀や弁護士として勉強してきたことから磨かれてきた力なのでしょう。
そして、その分析から大賞を取るまでになった作品名が『元彼の遺言状』です。
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まとめ
弁護士資格を持ち、プロ雀士としても一時期活躍され、そして今は、弁護士の仕事をお休みして、小説家としてのキャリアを積もうとしている新川帆立さん。
すでに、続編の構想もできているようです。
次回作も期待しています。